普段、私は子ども向けプログラミングスクールで講師をしています。
講師業では店舗での対面授業以外にオンライン授業を実施することもあり、その他の業務としては従業員向けの勉強会や研修を企画提案し、それをオンラインで実施、司会やまとめ役を担うこともあります。
司会や進行のコツそのものはオフラインと同じではありますが、オンラインの場合、何かあっても即対応できない面があり、より事前準備やトークのコツがあるのだと実感している日々です。
そこで今回は自分が主催したり、参加した側の経験を題材にし、オンラインでの会をスムーズに進行するコツをまとめてみました。
1.資料は事前に配布しておく
オンラインでのやり取りのポイントに、参加者の機器環境の問題が大いにあるかと思います。
ある研修で「では今からワード資料をチャットで送りまーす」と言われたのですが、タブレットで参加していたメンバーが一様にざわついたことがありました。
また、プログラミングのオンライン授業で急きょパワーポイント資料を使ってiPadで画面共有しなければならなかったのですが、レイアウトがガタガタで見れたものではありませんでした。
そういえば、パソコンならいいのかと思いきや、チャットでデータを渡そうとしたところ、聞いたことがないメッセージが出て受け取れない事例もありました。
参加者全員がパソコンとは限らず機器環境が様々です。複数での集まりなら、なるべくその場でのデータのやりとりは避けるとスムーズです。
また、特に読むだけの資料ならPDFで用意しておくとよさそうです。
2.質問はあらかじめ提示しておく
つい先日、質問にそのまま素直に答えたら注意が入り、あくまで個人的にですが『感じ悪いな・・・』と思ってしまった事例です。
その会は事前に資料はなく、おおよそのテーマのみ発信があり50人ほどが参加する研修でした。
研修の中で、4つの選択に対し自分はどれに当てはまるか1つを応える場面があったのですが、私は立場的に2つ以上選択する必要があったのです。
しかし99%の人が1つで済むため、私が決め切れず2つ以上になったと思われた様子。どこかから声が聞こえ「1つにしてください」指摘されてしまいました。
『だったら先に具体的な質問とどの立場でいればよいか教えておいてよ』と思ったものです。
3.回答も予測しておく
さらに、そこからそれぞれ選んだもの同士でグループ分けする流れだったのですが、1つの回答に集中し均等な人数でのグループ分けができない状態になっていました。
自由に選ぶ質問なのですから、偏りがでても当然ですが、4つに分ける前提の進行表だったようです。グループ分けを任命されたスタッフが大急ぎでグループを増やしていました。
大人数でのオンラインだったので、雑談もできずただ待つのみ。進行するうえで参加者がどのような回答をするか?の予測は大いに大事ですよね。自分も気を付けねばと思います。
4.テーマは多くても2つ程度にしておく
例えば「〇〇の5か条」などいくつかの長文を急に言われても、頭に入らない方が多数ではないでしょうか。質疑がある場合に問いかけが多すぎると「他の質問はなんでしたか?」といったやり取りはこれまでも時々見てきました。
自分発信の勉強会がそうでした。
お題を提示して進行する人と私は発言者を探して当てる役割として会を進めていたのですが、例題7つくらいまとめたものを見せてからのやり取りだったため、誰も覚えられず、画面共有をしたまま進行したのです。
さらにその勉強会は事前資料がないパターンでした。
当てる側としても、1画面で皆の顔を見れていたものが、小さいカメラ画面を切り替えながら人を探す羽目になってしまい、手を上げてる人や何か言いたげな人をすぐに見つけられず、少々テンポも悪くなってしまいました。
資料がない会では簡潔に伝えながらやり取りできる進行にすべきだったと実感しました。
ちなみに「現状と対応策」のようにセットで考えられる場合なら2つあっても把握できることが多いので基本2つまでとしていますが、内容的に3つ掲げることもあります。その場合は1つ1つ分割して進めていく流れにしているので、話を聞く側にも迷いがなくほとんどスムーズにやり取りができています。
5.フォロースキルも併せ持っておく
ただ、急に参加することができるのもオンラインのメリット。その場で資料などをお渡しする事態にも遭遇するかと思います。
やはりチャットでのデータのやり取りや、タブレットでやり取りできるアプリSendanywhereなどデータやり取りができる手段は知っておき用意しておくとよさそうです。
また、オフラインでよくある「間を取り持つ」スキルは、オンラインでも同じように声掛けができるといいのにと感じています。
これまではオフラインでの会は、若干グダグダになっても、お隣同士で雑談していれば、さほど空気感が悪化することもないですし、もしふてくされている人がいてもフォロー入ったりできました。
そもそも、一方的に話を聞く研修では、質問や発言がしにくい参加者もいますし、さらにZoomになると余計に苦手意識を持っている人もいるようです。
まとめ
まだまだオンラインでのやり取りは、回を重ねるごとに新しいトラブルが発生することもあるため、臨機応変に対応する心づもりは大切ですが、やはり事前に対応できることはしっかり準備しておきたいものです。
オンラインでは、隣同士の雑談や小声で話すということができないので、より一層成功に導く事前準備が必要であると感じます。
一方でこれまでリアルな対面と同様に、オンラインで画面越しでもスマートなフォローも身に着けたいと思うこの頃です。