私たちプログラミングスクールの講師は子どもたちと関わるうえで常に気になることがあります。それは、声かけやフォローのタイミングです。
私たちのスクールでは、プログラミングスキルをあげることだけが目的ではなく、自分でできることなら、自発的に行動してもらうことも目指しているからです。そういった、自発的に前向きな行動ができるよう、褒めて鼓舞することもあります。
今回は「褒める」をキーワードに、意欲やモチベーションが持続するようなコミュニケーションの取り方について考えてみました。
褒められると脳は活性化する
大人もそうですが、褒められるとうれしいですよね。
脳には報酬系回路があり、この回路が活性化されると快感情がわいてきて、意欲やモチベーションにつながってるとのこと。その快感情をもっと得るために行動していくようです。
確かに楽しい、知りたい、面白いもっとやってみよう!と思うキッカケは周りからの褒め言葉だったりすることはありますよね。
あるいは子どもに将来なりたい職業を聞くと人より得意だからとか誰かがすごいと言ってくれたという理由からであったりします。
モチベーションを維持するには
ところが、この褒め言葉は外発的要因というものにあたるそうです。
そういった外からの報酬は徐々に報酬系回路が働きにくくなっていき、より良いものがどんどんほしくなってきますし、報酬を与えられ続けなければモチベーションがおちてくるとのこと。
どうやら褒め言葉やプレゼントを貰ったりといった外発的要因はモチベーションが持続しにくいようです。
しかし、逆に充実感や自分で決めたことなど内発的要因の方が長く続く傾向があるそうです。
身近な例では試験だからと勉強するのではなく、試験がなくても、特にほめられなくても自分が好きで興味本位で勉強しているのは内部的要因からくるものにあたります。
できることを自分でも認める
ところで人は、不足していることや欠点には目が行きやすいそうです。
例えば「今日、どうですか?」と聞くとたいていあれができなかった、これができなかったとネガティブな話をするそうです。
そこで「今日、うまくいったことはなんですか?」と聞いてみます。そうやって、できたことを自分であげていくことで何ができたかを認識できるようになります。
実はここがポイント。あえて褒めなくても自分を認めることができ、楽しさややりがいといった内面からの意欲がわき、自分で取り組む気持ちにつながっていくのですね。
叱る褒めるの前に
これまで叱るのと褒めるのと育成にはどちらがよいか?といった話をきいてきたことがありましたが、いずれも何かの行動のあとの対処になります。
「どのタイミングで叱るか?」「どう褒めるとよいか?」も使い分けは必要だとは思いますが、まずはその子が何かに取り組みたくなり、できるようになることを増やしていける環境を作り、そのできていることを自分で認めていけることが大事なのですね。
何も特別なことでなくてもよい
そう言われて振り返ると、普段から私たちは、褒めたと認識しないくらいの気持ちで「できたね~」と言っていることありました。
それらは、とてつもなく素晴らしいことや、また「こうなってほしい」とコントロールするような事柄ではありませんでした。
何も「どうやって褒めようか」と悩まず、何でもできたことを伝えていく、自分で認めていける状況を作ってあげられたらよさそうです。
これからも、それぞれの子どもが時間がかかってもできるのか、一般的な難易度は低くてもまだむずかしいのかといった、様子は見極めフォローをいれながらも、できることを増やしてもらえるような声かけをしていこうと考えています。